【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
「皆川先輩、ここが山だってこと、忘れちゃダメですよ」
物凄いスピードの蹴りを飛んで回避した春風は、バック宙して、着地前に近くにあった木を力強く蹴った。
「何のつもり…………だっ!?」
皆川会長が次の攻撃のモーションに入った時、さっき春風が蹴った木から、残り少なかった木の葉と枝が落ちる。
皆川会長の人間離れした反射神経が、本能的にそれを避ける為に体を後ろ飛びさせた、その隙に。
春風が落ち葉の間から勢い良く飛び出して、皆川会長の腹部に小石を投げた。
「…………やられた。敗因は、春風がこんなに状況把握能力に長けてることに、今まで気付かなかったことだな」
そう呟いた皆川会長のウェアは赤く染まっていく。
「俺、昔から弱かったもんで、ひーちゃんとか、周りの人の体の動きだけは把握出来ちゃうんです。この戦いに限っては、俺の土俵でしたね」
まさに、曲者。園部春風。弱者だったこれまでを、春風は武器にしちまったんだ。スゲェや。
物凄いスピードの蹴りを飛んで回避した春風は、バック宙して、着地前に近くにあった木を力強く蹴った。
「何のつもり…………だっ!?」
皆川会長が次の攻撃のモーションに入った時、さっき春風が蹴った木から、残り少なかった木の葉と枝が落ちる。
皆川会長の人間離れした反射神経が、本能的にそれを避ける為に体を後ろ飛びさせた、その隙に。
春風が落ち葉の間から勢い良く飛び出して、皆川会長の腹部に小石を投げた。
「…………やられた。敗因は、春風がこんなに状況把握能力に長けてることに、今まで気付かなかったことだな」
そう呟いた皆川会長のウェアは赤く染まっていく。
「俺、昔から弱かったもんで、ひーちゃんとか、周りの人の体の動きだけは把握出来ちゃうんです。この戦いに限っては、俺の土俵でしたね」
まさに、曲者。園部春風。弱者だったこれまでを、春風は武器にしちまったんだ。スゲェや。