【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下

しかし、体重の点で不利な分、体が吹っ飛ぶ。悔しいことに着地右膝を擦りむいてしまった。


「ちっ！めんどくせぇな」


自然に流れた涙のおかげで目の痛みがなんとか引いて、私も反撃を始めることにした。私は動きには自信があるんだ。素早さとか、身軽さとか。


けれど、わざと遅めに顔面目掛けてストレートをかます。


当たり前だが猛獣Ｃはそれを避ける。正に、私の狙いはそこだった。


避けてガードと判断力の甘くなった猛獣Ｃ目掛けて、全力のテコンドー技チッキ、踵落としをお見舞いした。


《はーいそこまで！もう石葉陽菜子の勝ちだからー！ヤメヤメ！》


砂かけの仕返しに失神した猛獣Ｃの顔面を踏み付けてやろうと思ったのに、審判のアッキー先輩に止められて、しょうがなく止めた。