【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下



「うーわ、なかなか血、止まんないし。サイッアク。それこそ何て日だ、だわ」


まず目を洗った私は、次に膝と格闘する。痛みは全くだけど、出血が止まらない。糞、自慢の脚に傷つけやがって。やっぱり顔面踏み付けときゃ良かったな。


「おい、何してんだひよこ」


出血と戦っている私の背中に、最近聞き慣れたあの高飛車な皇帝閣下の声がかかる。


「何って、見ての通り膝洗ってるんだけど。皆川会長、眼鏡かけてるのに見えないの?やっぱりその眼鏡度合ってないんじゃね?」


挑発するように皆川会長に言うと、フン、と高慢な笑みを浮かべて眼鏡をかけ直す。


会長の口元の黒子がやけに色っぽいなんて思ってしまう自分に、なんか腹が立つ。
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