【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
皆川会長はこちらへ足音もなく近寄ると、意外とでかいその図体を私に寄せた。


「ちょ……何すか?」


「座れ。一秒で座らなきゃ棘付きの鉄ヒモで拘束するぞ」


会長、目が笑ってないっす。おーこわ。従わなきゃホントにやりかねん。想像するだけでさぶいぼモンである。


私は仕方なく水道の隣の石段に腰を下ろすと、皆川会長はまるで、どこかのメルヘンな王子様のように立て膝をついてしゃがんだ。


実際は俺様の糞皇帝閣下なんだけど、やっぱりイケメンだし、ボンボンで動きに品があるからいちいち様になる。


そして、その体勢で私のふくらはぎを掴み、顔をひざ小僧に寄せたかと思うと、皆川会長はとんでもない行動に出た。
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