【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下



…………『れろん』


この行動に合う擬音といえば、これ以外思い当たる音がないくらい、れろん、と私の傷口を舐めたのだ。


「え……!ひゃあっ!み、皆川会長、あんた、何して……っ!ちょ、バッ!」


「何って、怪我は舐めときゃ治るってのが庶民の常識だろ?大丈夫だ。俺とお前は同じ血液型だ」


皆川会長ってAB型なんだ。通りで素敵な二重人格……じゃなくて!


な、な、な!誰だ、この皇帝閣下にそんなおばあちゃんの知恵袋教えたの!?


「ほ、ホントに!な、あ!」


「ひよこって、意外と可愛く喘げるんだな。ふーん」


くっそ!私の膝元にあるこの頭の毛、全部毟ってしまいたい!悔しい!くそくそ!
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