【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
「でもさあ、上には上がいるぜ?」


アッキー先輩は読書に戻った皆川会長の後頭部に目を細めると、聞こえないように呟く。


「……は?皆川会長の?」


春風も便乗して、そのでかい図体を折り曲げて小声になる。折り曲げたところでデカいのには変わりないがな。気持ちは分かる。


「ああ。二年の学年一位、壮平じゃなくて葵だから」


「「え、ええええー!?」」


ボソッと小声でアッキー先輩が投下した爆弾があまりにも大きくて、私達の声も大きくなる。


「チッ!テメェ余計なこと言いやがって。後でしっかり調教してやるからな」


そして、前の席にいた皆川会長の、美し過ぎる冷たい笑みにアッキー先輩が顔を青くしたのは言うまでもない。
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