【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
しかし、信用出来ずにいた私を信用させる決定打を、爽やか男子は言い放つ。


「君のような、芯の強そうな人がうちに来てくれたらいいのに……」


その残念そうに眉毛を下げるイケメンフェイスと、何より私の『内面』を見てくれたところに、ズキュンと心臓をやられた感じがした。あれですよ、弓矢持った天使がハート射止める的なあれ。


「大丈夫。うちの学校に来なさい。……君は俺が守ってあげる」


守る……なんて、素晴らしい響き。こんな私でも、女の子扱いされる。その事実に私はクラクラフラフラと体の力が抜けて、気付けば彼をすっかり信用している自分がいる。


……今思えば、この時もっと疑っていれば、安易な胸キュンに満たされていなければ、私の生活は安泰だったのかもしれない。
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