一番星のキミに恋するほどに切なくて。《旧版》
「………動けそうか?」
「…っ…ごめっ…無理みたい…」
体が重い。まるで自分の体じゃないみたいだ。
「…これは…来てもらったほうが良さそうだな」
―ピッ、ピッ…プルルルルッ
蓮さんはどこかに電話をかけ始めた。
博美さんにかな……?
「はい蓮。久しぶりね」
「…あぁ。そうだな」
「今日はどうしたの?」
蓮さんが何も言わなくても、博美さんにはお見通しのようだ。
「……夢月が熱を出した。それも高熱だ」
「熱…ですって!?わかったわ、今から行くわね」
―ピッ
博美さん声が大きいな…ベットに寝ているあたしにまで聞こえるなんて。さすが元レディース…。
だから蓮さん、あんなに耳から離して通話してるんだ。
「………すぐ来る……。頑張れ…夢月…」
蓮さんに頭を優しく撫でられる。そのせいか、だんだん睡魔が襲ってきた。
あぁ……心地良いなぁ…。眠く…なってきた…。
蓮さんに身を任せてあたしは眠ってしまった。