一番星のキミに恋するほどに切なくて。《旧版》
「…あたし………」
どうすればいいの?
「…すぐに返事を出す必要はない。決まったら…教えてくれればいい」
「…あ……はい…」
「それと……」
蓮さんはそっぽを向いて罰が悪そうに後頭部をガシガシと掻いた。
「……て悪かった…」
「………え…?」
強い風が吹いたせいで蓮さんの声が聞こえなかった。
「…キス…して悪かった」
そう言った蓮さんの頬は、少し赤かった。
「…あっ…………」
改めて言われると…恥ずかしい……。
あたしの顔も真っ赤なんだろう、蓮さんは困った顔をしている。
蓮さんならこういうのに慣れてるのかと思ってたけど…。
そうじゃなかったんだ…。そんな蓮さんを知れた事が嬉しかった。
「…行くぞ…」
蓮さんはあたしの手を黙って引く。
少しずつ変わっていく。季節が変わるように、時間が進んでいくように…変わらないモノなんて絶対に無いんだ。
あたしと蓮さんの関係も…
ただの居候から…他の何かに変わり始めた…。
あたしは…どうすればいいんだろう…。