一番星のキミに恋するほどに切なくて。《旧版》
「……よお…」
「あら、蓮じゃない!今日は何事?」
どうやら博美にはお見通しのようだ。
今日は博美にどうしても伝えなければいけない事を伝えるために病院へ来ていた。
「…時間あるか?」
「あるわよ。それで?」
博美は俺にコーヒーを出してから椅子に腰かけた。
「………夢月に言った」
コーヒーにも手をつけず、立ったまま博美に伝えた。
「…そう…。言っちゃったのね…。夢月ちゃんはなんて?」
「…なにも。俺が決まったらでいいって言った」
博美はしばらく考え込んでいた。さっきから何も話さない。
しばらく経って博美が口を開いた。
「………覚悟は…できたの?何があってもあの子を好きでいれる?」
「…意味はわからないが…。俺が夢月から離れられないだろうな…何があっても」
それを聞いた博美は、笑顔を浮かべた。
「まさか蓮が…誰かをそんなに好きになる時が来るなんてね……。うふふっ…お姉ちゃん、嬉しいわ」
「………誰がお姉ちゃんだ。もう27だろうが。それに、姉弟じゃないだろ。いつまで続くんだ…その設定は」
俺が暴走族に入るきっかけは博美がいたからだ。
尊敬はしてる。博美は暴走族界でも名の知れた総長だったからな。
出会った時から俺を弟のように面倒見てくれていた。