一番星のキミに恋するほどに切なくて。《旧版》
「…んっ………」
重い瞼を無理矢理動かして目を開ける。
見慣れない天井、真っ白な空間……。
あたし…どうしたんだっけ。
喜一お兄ちゃんに会って…蓮さんに会って…。
「…蓮さん………」
蓮さんにばれちゃったんだ。病気の事とか、余命の事とか…。
「…夢月……」
視界の中に蓮さんの顔が入った。
もう会えない…そう思った。なのに…もう一度会えた。
「…傍にいる…此処にいるから安心しろ」
蓮さんは頭を撫でてくれる。安心させるように何度も。
「…お前の事は…お前の兄貴と親父さんに聞いた」
「そっか…。…黙っててごめんね。…あたし……」
それから続く言葉が見つからない。何を言ったらいいのか…何を言いたいのかがわからない。