一番星のキミに恋するほどに切なくて。《旧版》
「…なんであまり家に帰らないの?」
蓮さんの家は綺麗だけど、生活感が感じられなかった。なんだか寂しい部屋。
それに、一つしかないベット……。一人暮らしなのかな…?
「…倉庫にいる事が多いからな」
蓮さんはベッドに腰掛ける。そして、タバコに火をつけた。
蓮さんタバコ吸うんだ…。居候させてもらうんだし、もっと蓮さんの事知りたいな。
あたしも蓮さんの隣に座ると、ギシッとベットのスプリングが鳴った。
隣に腰掛けたあたしを、蓮さんは目を見開いて見つめている。そして、くわえていたタバコを落とした。
―ジュッ
タバコには火がついていたため、じゅうたんが少し焼けた。
「えっ…あっ…あぁっ!!じゅ、じゅうたんが!!や、焼け…焼けっ…み、水〜っ!」
あたしは急いで台所に向かい、その場にあったふきんを水で濡らした。
よく絞ってから、焼けたじゅうたんに駆け寄り、ふきんで押さえた。
「じゅ、じゅうたん火事が起こる所だったぁ…」
火の用心って言うしね。まぁ今回の場合、用心する前に焼けてしまったけれど…。