一番星のキミに恋するほどに切なくて。《旧版》
love letter
「…夢月……」
夢月の葬式の帰り、俺はいつも通り家に帰った。
もしかしたら…普通にドアを開ければ、あいつがいるんじゃないか…そう願って。
―ガチャン
『蓮っ!お帰りなさい!』
「…夢月!!」
夢月の声が聞こえた気がして、部屋を見渡すが俺以外に人はいなかった。
俺は…あいつがいなくなってから何度同じ事を繰り返したのだろうか。
毎日毎日…誰もいない家に帰っては失望して……。
俯いた俺の視界に、薬指にはめられたシルバーのリングが入った。
『eternal heart』
「永遠の…愛……」
やっぱり…お前はもういないのか…?永遠なんて…存在しないのか…?
「なぁ……夢月…」
一人呟いた悲しみは、虚しく消えていった。