一番星のキミに恋するほどに切なくて。《旧版》
「…幸せなのに…泣くのか?」
「幸せだったから…悲しかった…」
「……どっちだ」
「…へへっ…どっちもだよ…。幸せだから…悲しいの」
幸せが大きすぎるほど、失う時の悲しみも大きくなる。
『永遠』なんて無いのだから。いつか必ず、終わる時がくる。
「…俺には難しい…」
「ふふっ…知らない方が、ずっとずっと幸せだよ…」
そう…知らない方が…。
ずっとずっと…幸せだったのに…。
この時のあたしには、これから待つ本当の悲しみに気付かなかったんだ。