一番星のキミに恋するほどに切なくて。《旧版》
「蓮さん!!」
いるはずのない人がいた。肩を大きく上下に揺らして息をしている蓮さんが目の前に立っている。
「心配…しただろうが…」
「えっ…?」
蓮さん、今心配って…
「体調も良くねぇだろ!!
勝手に俺から離れていくな」
そう怒鳴る蓮さんは何だか泣きそうな顔をしていた。
やっぱり…心配性だ。
恐くて、朝寝坊さんで、心配性で……
「優しくて、あたしを大切にしてくれて…」
「あ…?」
驚いたように蓮さんはあたしを見つめた。
そんな蓮さんにあたしは抱き着いた。
「夢月!?」
蓮さんの驚いたような焦ったような声が聞こえた。
それが何だか可愛らしくて小さく笑ってしまった。