君色グラウンド
キーンコーン…
授業の終わりを告げるチャイム。
一斉に下校を始める生徒で、騒がしくなる教室。
「千胡は今日も残るの?」
綾がスクバを肩にかけながら、私の席まで来た。
「あ、うん!!綾も一緒みよー?ぽかぽかなんだっ♪」
私はにこにこしながら自分の机をぱしぱし叩いた。
「んー…。まぁ、今日はバイトないし暇だからいようかな!」
「やったぁ♪」
前の机の椅子を後ろに向けて、綾はスクバを地面に落とした。
「それにしてもさー、ほんと好きだよね、千胡は」
「?」
「黒川」
ドキッ
綾は横目で私を見ながら言った。
「なっ…なに言ってるのかよく分かんないなぁー綾は!」
「千胡、顔に出過ぎ…」