君を忘れない
「ちょっと、ふざけすぎじゃない?」


真剣な顔でかよっぺに言った。

あんな風に説明できるかよっぺが羨ましくて、その嫉妬心からついイライラしてしまい強い口調になってしまった。


「あれくらいいいじゃない。

真一はちょっと硬すぎるのよ」


「本当のことを言ったんだよ」


「あれで会長やりたいって思う人いると思う?

去年の自分はあんなこと聞かされて会長になったんじゃないでしょ?」


確かに去年の俺はあんなこと頭の隅にすらあったかどうか分からない。

けど、会長をやって感じた事実を言っておかないと、会長になってからそいつが苦労する。

安易に楽しめとか言って、こちらの責任にされてしまったら正直だるい。

ましてや、無理して来なくていいとか、飲み会で無理して酒を飲まなくていい、なんて先輩から説教されるようなことなど口が裂けても言えるはずがない。


「まぁ、気持ちは分からないでもないけどね。

実際、大変なことのほうが多いし」


やっぱりそうじゃないか。





「次、副会長の番だよ」


そういや、今日は女子の副会長がゼミの急用で来れないって言ってたな。

まぁ、副会長も会長とそんなに変わらないから一人で大丈夫だろう。


「はい、どうもー」


この声はもしかして・・・
< 10 / 203 >

この作品をシェア

pagetop