君を忘れない
だけど、もしこの気持ちを口に出してしまったら、この計画は一気に実行へと移されてしまう。

ただでさえ無茶苦茶なことばかりするハマのことだから、今回のこともきっと無茶に決まっている。

そう、ここはこれ以上何も反応しないか、話題を逸らすことが僕にとっての最善の策と言えるだろ。

立ち上がり、空を見上げながらハマに背中を向ける。


「ゲリラライブって、どこでやるんだよ?」


(しまった)


言った瞬間に自分が言ってしまったことを深く後悔した。

こんなこと言うつもりはなかったのに、なぜかつい口から出してしまった。



恐る恐る振り返ると、そこにはハマがにやりと笑っていた。



せめて、嫌だと言っておけばよかったものの、こんな質問したら乗ってきたなと思われてしまう。

いや、この嫌らしい笑顔はもうそう思っているに違いない。

こうなったら、聞くだけ聞いてやろうじゃないか。
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