君を忘れない

-6-

「はい、どうもー四盛です」


「虎姫です」


2年生の前に立つ。

まだ、話し合いが始まるという段階で22人と少ない。


(これ以上誰も辞めてほしくない)


運営するためには幾つかの係があり、数を考えると25人くらいいたら楽なのだが、今22人では10人台になってしまう可能性が高い。

僕たちの代は19人で運営をしたのだが、やはり苦労をしたこともあった。

少なかったら、一人が何個か係を掛け持ちすることになるし、何よりも毎週ある飲み会に楽しくなくても行かなければいけない回数が増える。

楽しければそれでいいのだが、楽しみ方だって人それぞれだ。


「副会長の説明って言ってもね、特にこれと言ってないんですよ」


「じゃ、俺いらないじゃん」


「いや、名前と顔が女子だから女子副会長役としてね。

あっ、喋らなくていいから」


「やっぱり、俺いらないじゃん」


「いや、マスコットキャラクター的な役割が必要なわけ。

マスコットとか喋らないでしょ」


「マスコットって・・・

一応、俺のほうが学年1コ上だろうが」


「学年は一応1コ上だけど、歳はタメだから!」


さっきまでの緊張の糸が張り詰めた空気とは違い、2年生は笑って少し柔らかい空気になった。

これで、一人でも多く残ってくれるといいのだが・・・
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