君を忘れない
「よう」
かなり珍しい見舞い客が来た。
「ハマいるか」
すぐ後ろからヒメが顔を出してきた。
店長には病院を知らせていなかったから見舞いに来るのはおかしいと思ったが、やはりというか当然というかヒメが教えて一緒に行こうとでも誘ったのだろう。
「さっき来訪者名簿に二人で記入したんだけど、店長の本名初めて知っちゃったよ。
店長、王子(おうじ)って言うんだぜ」
病室に入ってきて早々に満面の笑みではしゃいでいる姿が、あの時と何一つ変わっていない。
おかげで暗闇に心が包まれそうだったが、光が差し込んだかのように暗闇を消し去ってくれた。
「王子って苗字なのに名前は一男なんだぜ。
どんだけバランス悪いんだよ」
「お前、人の名前に笑いすぎ」
「いや、王子一男は爆笑だろ」
病室中が三人の笑いに包まれた。
声だけを聞いていると、いつものスーパーの駐車場にいるような感覚になるが・・・
ここは病院の病室で、その病室の患者は俺なのだ。
「ちょうどさ、色々と思い出したんだけど、この三人で心霊スポット行ったよな」
「そういえば、行ったな」
ヒメが懐かしそうな顔をして、後ろで手を組んで上を見上げた。
その横で店長が渋そうな顔をしてこちらを見ていた。
「俺らのなかで車持っているのは俺だけっていうだけで、俺まで巻き添えにしたよな。
霊感が強い俺にはかなり地獄だったぞ」
再び、病室が三人の笑いで包まれた。
あのときは本当に怖かったけど、本当に楽しかったな。
かなり珍しい見舞い客が来た。
「ハマいるか」
すぐ後ろからヒメが顔を出してきた。
店長には病院を知らせていなかったから見舞いに来るのはおかしいと思ったが、やはりというか当然というかヒメが教えて一緒に行こうとでも誘ったのだろう。
「さっき来訪者名簿に二人で記入したんだけど、店長の本名初めて知っちゃったよ。
店長、王子(おうじ)って言うんだぜ」
病室に入ってきて早々に満面の笑みではしゃいでいる姿が、あの時と何一つ変わっていない。
おかげで暗闇に心が包まれそうだったが、光が差し込んだかのように暗闇を消し去ってくれた。
「王子って苗字なのに名前は一男なんだぜ。
どんだけバランス悪いんだよ」
「お前、人の名前に笑いすぎ」
「いや、王子一男は爆笑だろ」
病室中が三人の笑いに包まれた。
声だけを聞いていると、いつものスーパーの駐車場にいるような感覚になるが・・・
ここは病院の病室で、その病室の患者は俺なのだ。
「ちょうどさ、色々と思い出したんだけど、この三人で心霊スポット行ったよな」
「そういえば、行ったな」
ヒメが懐かしそうな顔をして、後ろで手を組んで上を見上げた。
その横で店長が渋そうな顔をしてこちらを見ていた。
「俺らのなかで車持っているのは俺だけっていうだけで、俺まで巻き添えにしたよな。
霊感が強い俺にはかなり地獄だったぞ」
再び、病室が三人の笑いで包まれた。
あのときは本当に怖かったけど、本当に楽しかったな。