君を忘れない
二・三分程進むと広場のようなところに着いた。



ここは流石にヤバイ。



霊感のない俺でも背筋が凍るような感覚が走り、さきほどとは比べようがないくらいに鳥肌が立ち、体中の毛が逆立ったような感覚になった。


「うわっ、怒っている。

『お前ら、何しに来たんだ』って怒っているよ」


そう言われると、余計に怖くなってきた。

しかし、ここで何もせずに帰るわけにはいかない。


「何しに来たんだって、こっちも分かねえよ。

なぁ、ハマ。

マジでもう帰ろうぜ」


ヒメが泣きついてくる。

これからが、本番だぜ・・・


「いや、ここで帰ったら駄目だ」


「はっ?」


後ろを振り返り、二人と顔を合わせる。

こういう状況じゃ当たり前だが、かなり怯えている。


「何もせずに帰ったら、俺らは祟られるだけだぞ」


「じゃあ、一体何をすればいいんだよ」


「実験をしよう」


二人とも不思議そうな顔をしている。

ついに、小さいときからやりたかったことをするときがきた。

きっと、ヒメとならばできるだろうし、もしかしたら成功という形になるのかもしれない。


「あー!」


広場全体を見渡し大声で叫び、少しは恐怖の気持ちが薄れた。



やってやる・・・



俺はやってやるぞ。
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