君を忘れない
小田急線、埼京線と満員電車に一時間くらい揺られ、電車を降り、改札を抜けて病院へと向かう。
真夏の八月だから暑いのは当たり前だが、十時前だというのに病院に着いた頃には顔には汗が滲み出ていた。
少し涼んでから病室に行こうかと思ったが、どうせ病室もほどよく冷房が効いている。
それなら、さっさと病室に行き、あいつの反応を早く見たい。
自然と歩も速くなってくる。
病室の前に立つと、いつもと違うことに気付く。
ネームプレートにあいつの名前がない・・・
「あれ?
病室間違えたかな」
そんなはずはないと思い、病室の番号に目を向けると確かにここはハマがいるはずの病室だった。
「そんなわけないでしょ。
確かにこの病室だよ」
かよっぺも確認したのだろうし、僕だって分かってはいるのだが、『知多慧介』のネームプレートがない。
-みんなに盛大に見送られながら去るのもいいけど、俺は静かに去っていきたいかな-
二つ上の仲のいい先輩が地元に帰る前日に送別会の飲み会をしたとき、あいつが遠くを見ながらもらした言葉を思い出す。
まさか、そんな・・・
真夏の八月だから暑いのは当たり前だが、十時前だというのに病院に着いた頃には顔には汗が滲み出ていた。
少し涼んでから病室に行こうかと思ったが、どうせ病室もほどよく冷房が効いている。
それなら、さっさと病室に行き、あいつの反応を早く見たい。
自然と歩も速くなってくる。
病室の前に立つと、いつもと違うことに気付く。
ネームプレートにあいつの名前がない・・・
「あれ?
病室間違えたかな」
そんなはずはないと思い、病室の番号に目を向けると確かにここはハマがいるはずの病室だった。
「そんなわけないでしょ。
確かにこの病室だよ」
かよっぺも確認したのだろうし、僕だって分かってはいるのだが、『知多慧介』のネームプレートがない。
-みんなに盛大に見送られながら去るのもいいけど、俺は静かに去っていきたいかな-
二つ上の仲のいい先輩が地元に帰る前日に送別会の飲み会をしたとき、あいつが遠くを見ながらもらした言葉を思い出す。
まさか、そんな・・・