君を忘れない
ヒメへ



今、お前がこの手紙を読んでいるということは、俺はもう実家へと帰っているということだな。



まず、お前に謝らなければいけない。

お前に挨拶もなしに、こんな手紙だけで本当にごめん。

けど、お前と直接会って話すと、きっと俺は泣いちまうんじゃないかって思うんだ。

お前とはずっと笑い合ってきたから、泣きたくないから手紙にしたという自分勝手な行動を許してくれ。



次に、俺はお前に本当に感謝している。

俺の大学生活の笑いの半分はお前と過ごした時間だ。

大学に来て、あんなに馬鹿をする友達、一緒に馬鹿をやってくれる友達ができるなんて思ってもいなかったから、本当に楽しかった。

初めてお前に会ってから二年半くらいしか経ってないのが、信じられないし、本当に惜しい・・・

ちょっとだけネガティブなこと書くと、俺なんで死んじまうんだろうな~

お前見ていると、そんなことを思うよ。

おっと、決してお前を悪く言うわけじゃないぞ。

これは俺なりに前向きな姿勢と捉えているからな←ネガティブって書いておいて、前向きかよ(笑)



今、お前との思い出を振り返ってみたら、一人で笑っちまってるよ。

俺、死ぬんだぜ。

なのに、こうして笑えるってことはお前すげぇよ。

お前には人を笑顔にする魅力があると思う。

あっ、誉めすぎてるな~この部分はカットで(笑)

でも、本当に色々な思い出があるよな。

全部書きたいけど、もし書いたら一冊の本になっちまうから書けねえよ。

まぁ、強いてあげるなら、俺の中で印象に残っているのは八王子城だな。

なんたって、俺ら幽霊に呆れられたからな。

あと、学校の二号館の鍵が壊れているところ見つけて、夜中に肝試しもやったよな。

怖かったけど、あれもいい思い出だよ。
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