君を忘れない
ハマが手紙では笑っているのだ、それなら僕たちは今笑っていなければいけない。

そして、思い出すときは笑ってくれと言っているのだから、いつまでもここで泣いているわけにはいかない。


「もっと感動するような手紙かと思ったら、(笑)が多すぎだよ。

全く、最後まで馬鹿なやつだな」


顔は笑っているつもりだ。

涙は止めたつもりだ。

それでも、さっきまで流れていて目に溜まっていた涙が頬を滴り落ちて、ひどい顔になっているだろう。

けど、どんなに不細工な顔だろうと、今は笑っていなければいけない。

そう、笑っていなければいけない・・・


「笑えよ、かよっぺ。

泣いていたら、あいつに悪いだろ」


一緒に泣いていたかよっぺも同じように不細工に笑った。


「かよっぺ、変な顔だな」


「自分だって、十分変な顔だよ」


「俺からしてみたら、二人とも変な顔しているよ」


おっちゃんのこの一言で三人とも笑った。

大笑いした。



そのとき、封筒から何かが落ちて、それを拾い上げる。



これは・・・
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