君を忘れない
「えー、皆さんこんにちは」
緊張した面持ちで車両の一番前に立ち、車両全体を眺めて挨拶をする。
全員が不思議そうな顔をしてこちらを見ていて、なかには怪訝そうな顔をしている人もいる。
「僕は都内に通っている大学四年生です。
今、大学時代の思い出作りという形で友人の企画していたことを、僕が今日この場でやらせてもらおうと思います。
少し、いや、もしかしたら少しではないかもしれませんが、しばらくの間うるさくなると思います」
ここまで言って辺りを見渡すと、やはり、まだ不思議そうな顔をしている。
まだ、開始するにはやりにくい空気だ。
「その友人は今この場にはいません・・・
この場にいたかったはず・・・
でも、この場にいたくてもいれません。
だから、僕は今日精一杯やって、大学時代の最高の思い出を作りたいと思っていますので、どうか皆さん暖かい目で見てくれるとありがたいです」
小さいけれど拍手が起こった。
かよっぺたちからの拍手だったが、少しは空気が和らいだ気がした。
足が小刻みだが震えているのが分かる。
携帯をスピーカーに繋げている手も震えている。
ここまで震えていてみんなにも気づかれているのではないかと思うくらい、震えが大きくなっていく気がする。
大丈夫なのか
やっぱり、僕一人じゃ無理なのだろうか。
さっき思い切った決意をしたのに、もう不安に襲われていて、なんて僕は情けない男なのだろうか。
こんなところで、自分は周りの人間にどれだけ助けられて生きているのか実感するとは思いもしなかった。
なんて・・・
なんて、情けない男だ。
緊張した面持ちで車両の一番前に立ち、車両全体を眺めて挨拶をする。
全員が不思議そうな顔をしてこちらを見ていて、なかには怪訝そうな顔をしている人もいる。
「僕は都内に通っている大学四年生です。
今、大学時代の思い出作りという形で友人の企画していたことを、僕が今日この場でやらせてもらおうと思います。
少し、いや、もしかしたら少しではないかもしれませんが、しばらくの間うるさくなると思います」
ここまで言って辺りを見渡すと、やはり、まだ不思議そうな顔をしている。
まだ、開始するにはやりにくい空気だ。
「その友人は今この場にはいません・・・
この場にいたかったはず・・・
でも、この場にいたくてもいれません。
だから、僕は今日精一杯やって、大学時代の最高の思い出を作りたいと思っていますので、どうか皆さん暖かい目で見てくれるとありがたいです」
小さいけれど拍手が起こった。
かよっぺたちからの拍手だったが、少しは空気が和らいだ気がした。
足が小刻みだが震えているのが分かる。
携帯をスピーカーに繋げている手も震えている。
ここまで震えていてみんなにも気づかれているのではないかと思うくらい、震えが大きくなっていく気がする。
大丈夫なのか
やっぱり、僕一人じゃ無理なのだろうか。
さっき思い切った決意をしたのに、もう不安に襲われていて、なんて僕は情けない男なのだろうか。
こんなところで、自分は周りの人間にどれだけ助けられて生きているのか実感するとは思いもしなかった。
なんて・・・
なんて、情けない男だ。