君を忘れない
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どれくらいの時間、言葉を交わしていないだろう。

かよっぺはあれからずっとテレビを見ているだけだ。

一体、何を言いたかったのだろう。

テレビを見ながら、あの時のことを思い出しているようにもみえるし、タイミングを伺っているようにもみえる。


「ねえ、真一」


ようやく喋りだし、こっちを見る顔はどこか大人びた感じがした。

実際、一浪して入学しているから歳は一つ上なのだが。


「あんたたち、昔は凄く仲良かったのにね」


昔というふうに言われると、遠く昔のような感覚がするが、実際はそんな昔の話ではない。

ほんの1年前まで俺たちは本当に仲が良かった。

自分で言うのもおかしな話だが、きっと誰が見ても理想の先輩と後輩に見えてたんじゃないかと思うくらい、俺たちは仲が良かったのだ。
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