君を忘れない
-6-
十月の多摩川競艇場は朝の十時半ということもあってか、日差しとは裏腹に涼しく過ごしやすくなっている。
今日は僕一人ではなく美波も一緒だから昼くらいから来ればよかったのだが、ついいつもの癖で一レース前からの時間で約束してしまった。
「こんな早くからごめんな」
とは言ったものの、美波には聞こえていないようだ。
以前、戸田競艇場に行ったかよっぺは凄くはしゃいでいたが、それとは全くの正反対でさっきから静かに水面を見入っていた。
「思っていたより、ずっと広いですね」
それでも、こちらを向いてきた目はかよっぺと一緒で輝いているように見えた。
初めて競艇場に来た女の子がこういう目をしてくれると、何だか嬉しくなってくる。
こんな目を見せられると、レースが始まったらどういう反応をするのか楽しみになってきて、残り三分ある締め切りまでの時間が早く過ぎ去ってほしい。
果たして、美波はどういった反応をしてくれるだろうか。
「そろそろレースが始まるよ」
今日は僕一人ではなく美波も一緒だから昼くらいから来ればよかったのだが、ついいつもの癖で一レース前からの時間で約束してしまった。
「こんな早くからごめんな」
とは言ったものの、美波には聞こえていないようだ。
以前、戸田競艇場に行ったかよっぺは凄くはしゃいでいたが、それとは全くの正反対でさっきから静かに水面を見入っていた。
「思っていたより、ずっと広いですね」
それでも、こちらを向いてきた目はかよっぺと一緒で輝いているように見えた。
初めて競艇場に来た女の子がこういう目をしてくれると、何だか嬉しくなってくる。
こんな目を見せられると、レースが始まったらどういう反応をするのか楽しみになってきて、残り三分ある締め切りまでの時間が早く過ぎ去ってほしい。
果たして、美波はどういった反応をしてくれるだろうか。
「そろそろレースが始まるよ」