君を忘れない
「19-20」


試合は壮絶な展開で、僕を含めて4人全員が真剣そのものだった。

一進一退の攻防・・・

しかも、あと5分で練習終了という時間が時間だけに、サークルのほとんどの人が僕たちの試合に注目していた。

まさか、こんな試合になるとは思いもしなかったが、これだからバドミントンは楽しい。


「よし、ここまで来たら追いついて勝とうぜ、小山」


そう、この試合僕と組んでいるのは小山なのだ。

久しぶりの試合というだけでなく、一緒に組むことになるなんて神様も随分と気を使ったものだ。



小山からのサーブを後ろに上げてきた。

それをクロスで前に落としたが、必死にあっちが食らいついて拾う。


「頼む!」


小山のほうにチャンスボールがいった。

それを小山が思いっきりスマッシュで相手コートに叩き込み、ついに追いついた。


「しゃあ!」


お互いが雄たけびをあげ、ハイタッチをする。



ワンプレーが終わるごとにサークルのみんなから歓声と拍手が起こる。

いつの間にかみんなが4人を応援していて、ただのサークルというよりは何だか大会のような雰囲気になってきていた。

この試合だけは、負けられない。

そんな思いが胸の中に立ち込めた。
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