君を忘れない
あの時と同じでトラさんは下を向いたまま黙ってしまった。
また、あの日と同じように後ろを振り向き立ち去ってしまうのではないか。
そんなことをされたら、今度こそもうずっとお互い交じり合うことはなくなってしまうのではないか。
そう考えると胸が苦しくなる。
(お願いだから何か言ってくれよ)
涙目になりながら上を見る。
こんなことを遣り合っていることが空しくなるくらい綺麗な星空が広がっていた。
「小山、本当のことを知らないのにいい加減にしろ」
静寂を切り裂いてきたのはトラさんではなく、四盛だった。
本当のこと・・・
そういえば、飲み会のときにもそういうことを言っていた。
一体、本当のことというのはどういうことだ。
「四盛やめろ」
トラさんが四盛の肩に手を乗せて止めようとするが、それを強引に振りほどき話し続けた。
「あんたもいい加減にしな。
黙っていれば自分一人が辛いだけで済むと思ったら大間違いだ。
現に小山だってこうやって辛い思いをしているし、この1年間の2人の関係を見ている俺やかよっぺだって辛いんだ」
かよっぺを見ると、涙目になりながら頷いていた。
どうやら、四盛だけではなくかよっぺも本当のことというのを知っているらしい。
また、あの日と同じように後ろを振り向き立ち去ってしまうのではないか。
そんなことをされたら、今度こそもうずっとお互い交じり合うことはなくなってしまうのではないか。
そう考えると胸が苦しくなる。
(お願いだから何か言ってくれよ)
涙目になりながら上を見る。
こんなことを遣り合っていることが空しくなるくらい綺麗な星空が広がっていた。
「小山、本当のことを知らないのにいい加減にしろ」
静寂を切り裂いてきたのはトラさんではなく、四盛だった。
本当のこと・・・
そういえば、飲み会のときにもそういうことを言っていた。
一体、本当のことというのはどういうことだ。
「四盛やめろ」
トラさんが四盛の肩に手を乗せて止めようとするが、それを強引に振りほどき話し続けた。
「あんたもいい加減にしな。
黙っていれば自分一人が辛いだけで済むと思ったら大間違いだ。
現に小山だってこうやって辛い思いをしているし、この1年間の2人の関係を見ている俺やかよっぺだって辛いんだ」
かよっぺを見ると、涙目になりながら頷いていた。
どうやら、四盛だけではなくかよっぺも本当のことというのを知っているらしい。