君を忘れない
第二章 終わらない歌(知多慧介)
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ほんのわずかな梅雨が終わり、七月も二週目になり本格的な夏が始まった。
暑い・・・
そんなことも言っていられないくらい暑い。
現在の時刻は九時四十五分を過ぎたところで、約束の時間をとっくに過ぎているというのにあいつはまだ来ない。
九時五十二分に普通電車があるからそろそろ改札へと向かうか。
電車が来たのだろうか、ホームから結構な人数の人が降りてくるのだが、お目当てのあいつが見当たらない。
電車から降りてきた人の流れが去り、周りには僕を含めて三・四人しか残っていなかった。
戸田公園駅は改札が一つしかないから、別の改札から出たなんてことはない。
どうやら、これには乗っていなかったようだ。
ため息をつくと、電車が来て止まる音がしたので時刻表を見てみると、五十六分にも大宮行きの電車があり、それが到着したようだ。
ホームからさっきと同じくらいの人が降りてくる。
「ごめん。
待った」
その人ごみからかよっぺが僕の前に現れてきて、顔の前で手を合わせた。
「あのな、同じ生田に住んでいてなんで一時間も差が出るんだよ。
ていうか、生田に住んでいるから生田から一緒に行けばよかったじゃん」
冷静に考えればそうだ。
同じ生田に住んでいるのだから、生田で待ち合わせをすればよかったというのに、わざわざ現地の戸田公園駅に集合って・・・
前日にサークルの人たちと飲み会をすると言っていたので恐らくそれが大きく関わっているだろうし、遅れた原因は間違いなくそれだろう。
もともとは僕は一人で行くつもりだったのだが、昨日のゼミが終わった後にかよっぺと話していたときについつい今日のことを口走ってしまったのが、どうやら失敗だったらしい。
暑い・・・
そんなことも言っていられないくらい暑い。
現在の時刻は九時四十五分を過ぎたところで、約束の時間をとっくに過ぎているというのにあいつはまだ来ない。
九時五十二分に普通電車があるからそろそろ改札へと向かうか。
電車が来たのだろうか、ホームから結構な人数の人が降りてくるのだが、お目当てのあいつが見当たらない。
電車から降りてきた人の流れが去り、周りには僕を含めて三・四人しか残っていなかった。
戸田公園駅は改札が一つしかないから、別の改札から出たなんてことはない。
どうやら、これには乗っていなかったようだ。
ため息をつくと、電車が来て止まる音がしたので時刻表を見てみると、五十六分にも大宮行きの電車があり、それが到着したようだ。
ホームからさっきと同じくらいの人が降りてくる。
「ごめん。
待った」
その人ごみからかよっぺが僕の前に現れてきて、顔の前で手を合わせた。
「あのな、同じ生田に住んでいてなんで一時間も差が出るんだよ。
ていうか、生田に住んでいるから生田から一緒に行けばよかったじゃん」
冷静に考えればそうだ。
同じ生田に住んでいるのだから、生田で待ち合わせをすればよかったというのに、わざわざ現地の戸田公園駅に集合って・・・
前日にサークルの人たちと飲み会をすると言っていたので恐らくそれが大きく関わっているだろうし、遅れた原因は間違いなくそれだろう。
もともとは僕は一人で行くつもりだったのだが、昨日のゼミが終わった後にかよっぺと話していたときについつい今日のことを口走ってしまったのが、どうやら失敗だったらしい。