君を忘れない
-3-
病院から一歩踏み出すと、暑い日差しが降り注いできた。
日差しだけではなく気温もかなり暑いため、僕を含めて周りの人の着ているシャツは汗で湿っている。
もう七月で夏なのだからこれが当たり前なのかもしれない。
僕はこの暑い夏を人生で今まで何度も経験してきていて、これからも何度も経験して、その度にやはり暑いと思い汗をかくだろう。
しかし、ハマにとっては今年の夏は当たり前ではなく、そして、これが最後の夏になるだろう。
今はまだなんとか歩けているが、そう遠くはない日に歩けなくなり車椅子生活になる。
そして、その車椅子にも乗れなくなってしまう。
食べ物を手に取ることも、食べることもできなくなる。
自分の意思で体を動かすことができなくなり・・・
ハマは死ぬ。
そういう病気なのだ。
本人はそのことを知っていて、本当は辛いはずだ。
自分の死、最後が分かってしまっているのだから辛くないはずがない。
一体、分かっているということはどのような気持ちなのだろうか。
それが、死という残酷なことならば、僕は平然とし笑っていられるのだろうか。
きっと、無理だろう。
だけど
だけど、さっきのあいつは僕たちの前では笑顔だった。
いや、入院したあの日から、僕はあいつの辛い顔を見たことがないし、きっと誰もあいつの辛い顔など見ていないだろう。
本当に大した奴だ。
僕にはあいつのそういうところが羨ましく思うと同時に、あいつをそうさせてしまった現実の残酷さを思った。
日差しだけではなく気温もかなり暑いため、僕を含めて周りの人の着ているシャツは汗で湿っている。
もう七月で夏なのだからこれが当たり前なのかもしれない。
僕はこの暑い夏を人生で今まで何度も経験してきていて、これからも何度も経験して、その度にやはり暑いと思い汗をかくだろう。
しかし、ハマにとっては今年の夏は当たり前ではなく、そして、これが最後の夏になるだろう。
今はまだなんとか歩けているが、そう遠くはない日に歩けなくなり車椅子生活になる。
そして、その車椅子にも乗れなくなってしまう。
食べ物を手に取ることも、食べることもできなくなる。
自分の意思で体を動かすことができなくなり・・・
ハマは死ぬ。
そういう病気なのだ。
本人はそのことを知っていて、本当は辛いはずだ。
自分の死、最後が分かってしまっているのだから辛くないはずがない。
一体、分かっているということはどのような気持ちなのだろうか。
それが、死という残酷なことならば、僕は平然とし笑っていられるのだろうか。
きっと、無理だろう。
だけど
だけど、さっきのあいつは僕たちの前では笑顔だった。
いや、入院したあの日から、僕はあいつの辛い顔を見たことがないし、きっと誰もあいつの辛い顔など見ていないだろう。
本当に大した奴だ。
僕にはあいつのそういうところが羨ましく思うと同時に、あいつをそうさせてしまった現実の残酷さを思った。