君を忘れない
夜中の一時前ということと、辺りが山に囲まれているということもあって(?)、ほとんどの家が電気を消している。

外を歩いている人など一人もいない。

かなり静かだ。



そんな静かなところにスーパーがある。

こういう言い方は失礼かもしれないが、なぜか二十四時間営業だ。

しかし、夜中にそんなに人も出歩く気配もない、神奈川といえど田舎というような言葉がピッタリなこの場所に、二十四時間営業のスーパーがあれば「なぜ?」と思うだろう。

町田や、学校の近くの駅ならまだ分かるのだが・・・



スーパーでパンを一つ買って、原付で駐車場の奥まで行く。

そこは外灯が並んでいて、ステージの上でスポットライトを浴びているような感じの明かりを照らしている。

駐車場の周りには民家が全くない。

もともと、民家自体がここら辺はそこまで多くはないのだが。

それもあってか、駐車場にはこの広さとは裏腹に一台しか駐車していないという寂しい光景だ。

でも、これが僕たちには絶好の条件だった。
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