もしも彼が。
【魅咲side】
付き合ってなんてそんな簡単に言える言葉だったっけ?
少なくとも私は違うと思う。
本当に好きな子だけに伝える言葉なんじゃないの?
「ふざけてそんな事言わないで。」
「俺はふざけたつもりなかったんだけど」
真剣に答える侑摩の顔を観ると一瞬気持ちが揺らぐ。
「電話でもメールでも言わなかった?遊んでるつもりなんて無いって。忘れた?」
「忘れてなんて…きゃっ」
いきなり手首を強く掴まれる。
「俺は嘘はつかないよ」
ドクンと心臓が脈を打つ。
「離してっ…」
「何で?」
会ったばかりなのに…!