もしも彼が。
「とーちゃーく」
無邪気に笑う彼の後ろには、
「マンション?」
「ぴんぽーん、当たりー」
侑摩が暮らしてるマンションかな?
すっごく、高い!
「さ、行くよー」
「わっ、ちょっとっ」
グイグイと腕を引っ張られながらマンションの中に足を踏み入れた。
「今以上に仲良くなったら俺の部屋のロック教えてあげるね」
「は、はぁ…」
やばい。
やばいよ。
流されてる感じする。
このままだと自分の身が危ないかも?
「最上階でーす」
ニコニコ笑いながらエレベーターに乗り込む彼。
何だか楽しそうで。
今日一番の笑顔かもしれない。