もしも彼が。
「ね、教えて?」
低く耳元で囁かれた甘い声に
私は思わず顔を赤く染める。
「ゆ、侑摩っ…」
「早く言わないとー、わかってるよね?」
侑摩は私の首筋に顔を埋める。
「私はクールなYuuかなっ…」
「まじで?!」
「うん」
パッと私から離れたと思ったら
「やっぱ好き!」
そう言って私にもう一度抱きつく。
「ねね、何でYuuなの?」
「一番最初に好きになったからかな」
何気なく見ていたテレビに
Yuuがバラエティ番組に出ていて笑顔に一目惚れしちゃたんだよね…
こんなこと恥ずかしくて誰にも言えないっ…!
「魅咲いい匂いする」
「ちょっと、やっ」
「んーもうちょっとぉー」
「うぅー…」
一人唸っていると
「さて、返事決まった?」
返事?
「そう、返事。」
何も言ってないのに…
「顔に、書いてあったからさ」
「うっ…」