もしも彼が。
「やっと来た!」
いつも通りの笑顔のママ。
「わり、音楽聴いててさ」
「夜になっちゃうんだからお隣さんには迷惑かけないようにね」
「あぁ、分かってる」
「…あら?魅咲、泣いてるの?」
私と目が合ったママはそっと背中を擦る。
「何か、悲しいことあっ「無いよ」
ママのの言葉を遮るように私は笑顔で
言葉を放った。
「ただ…感動する小説読んでたらだけだよ」
「魅咲は家族の中で一番泣き虫だもんなぁ」
パパが私の頭を撫でる。
「そうなの?」
私は問いかけると
「女の子だものね」
ママが答える。
女の子だから?
それだけ?