もしも彼が。

「…で?どうした?」


ベッドの上に座る私を後ろから抱きしめてくる侑摩。

普段なら恥ずかしくて我慢できないのに

今だけ、侑摩の温もりを求めている私がいた。


「今話せないなら話さなくていいから。」


黙っている私に絶えず話しかけてくる侑摩。

気を使わせちゃってる。

分かっていても、言葉が出てこない。


「明日でも、来週でも、来年でも、来世でも永遠に待つから」

「…そんなに待てるわけないじゃん…」

「ははっ、そーだね。実際のところ、今すぐ聞きたいけど、俺ちゃーんと待てる男だからね」

「侑摩っ…」

「そんな潤んだ瞳と弱々しい声で俺に接しちゃだーめ」


何で?


「襲いたく、なるでしょー?」

「っ…!ば、ばか!」

「真っ赤!茹で蛸みてぇ」

「うるさいっ!」

「あ、いつもの魅咲」


いつもの私?

やっぱ私…気を使わせちゃってた。




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