もしも彼が。

「よし、落ち着いた?」

「うん、ありがと」


私、侑摩が傍にいると

…侑摩を求めてる。


「ゆ、ま」

「ん?」

「しよ?」

「な、何を?」


焦る侑摩。


「み、魅咲ー?」

「キス、しよ。して?」

「へ?」


遠慮がちにぎこちない空気が私たちを包む。


「い、いいの?」

「ん。して?」


侑摩の顔が近づく。

胸がドキドキしてる。


「ん…」


優しい触れるだけのキス。

心地よくて、もっと奥を求めたくて

もっと深いものを求めたくて、


「んぅっ…はっ」


侑摩を押し倒してしまった。


「魅っ…っ」

「ぁっ、」


侑摩を求めてる。

これ以上、求めちゃいけないのに。

私は…っ


「えっ?」

「遠慮、してたんだけど…っ遠慮何て要らないよね?」


ぐるりと視界が変わって、

私が下。侑摩が上になる。




< 36 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop