もしも彼が。
重なる影
【弘樹side】
「まじしつけぇよ!行かねぇって言ってんだろーが!」
くそが!
と今まで親に放った事を吐き捨ててリビングを出た。
「うぜーな、まじストレス」
「あ、んっ…」
あん?
「は?」
姉貴の部屋から、
魅咲の部屋から、
甘い喘ぐ声。
「まさか、なぁ?」
部屋の前に来ると
「んッ!」
げっ…
まじ?
魅咲の上に男…
悔しいけど、なかなかのイケメン。
魅咲はキスの間に
侑摩
と名前を途切れ途切れ呟く。
その度、男は魅咲の髪を撫でて
「すっげぇ好き。」
そう呟く。