もしも彼が。

「俺にちゅーってしてくれればいいからね」


ちゅー=キス?


「啄むんじゃなくて…深く、甘く、激しく、熱いキス。よろしくね」


唇のラインをなぞられながら

悔しい程綺麗な笑顔を見つめる。


「そろそろ俺、帰ったほうがいいよね」


立ち上がった侑摩は

うーん、と伸びをした。


「電話ありがとね」


離れたくないけど離れたい。

行かないで、傍にずっといて、1人にしないで。

って素直に言えたらどれだけ楽だろうか。





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