海と微熱の狭間で
可純は肌寒さに目が覚めた。
どうやら雑誌を読んだまま寝てしまったらしい。
葛城と二人で昼寝用のタオルケットに肩を出して寝ていた。


葛城が可純を抱き枕みたいに抱いて寝ており、肩がひんやりと冷たかった。

布団を被り、暖を得る。
暁の空に可純はもう一度目を閉じた。
原野が迎えに来てくれるの昼前だし、まだ時間はある。


葛城の方を向き腰に手を巻き付けた。葛城の程よくふっくらした唇が頬をくすぐったので身をよじる。


じわじわと幸福が胸を暖めた。



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