もうひとつの秘密のフィアンセ☆
「ま、愛美?」
あぶね~。
事故りそうになったよ。
慌ててハンドルを握り直し、チラッと目を向けた。
「だから、無理矢理ついて来たんだよ。ねえ竜二…」
「な、何?」
情けなくも、心臓がバクバクしてくる。
「竜二はそんな事ないよね?私に、冷たくなんてしないよね?」
「そんな事、するわけないだろ…」
ヤバイ。
今すぐ車を停めたい。
そんな衝動にかられていたら、無常にも、待ち合わせ先のクラブに着いてしまった。