もうひとつの秘密のフィアンセ☆
あ~あ・・・。
こういう時って、何で早く着くんだろう。
ため息交じりで車を停めると、愛美は少し恥ずかしそうに降りていった。
ちょっとくらい、キスしたかったな・・・。
愛美の側へ駆け寄り、手を握ろうとした瞬間、
「忘れ物した!!」
思い出した様に、愛美が叫んだ。
「携帯、忘れちゃった。取りに戻るから、先行ってて」
「え~?携帯なんていらないだろ?」
オレといるのに、何で電話がいるんだよ。
ふて腐れたオレにはお構いなしに、愛美は車へと走って行った。