先生に届くまで
私は嬉しくてたまらず先生の腕に飛び付いた。

私は迷わず

桜「先生!!観覧車に乗りたい!!」

中田「嬉しいのはわかるけど、腕にしがみつくのはだめ。観覧車もだめ。」

そう言いながら先生は腕を私の手から離した。

桜「えーー?何で観覧車だめなんですかー?」

中田「他の生徒がいるから。観覧車なんてあきらかにおかしいだろ?」

桜「むー。」

中田「野上の気持ちもわかるけど、これでも特別扱いしてるだろ?これ以上だと....な?」

先生は私の頭を撫でながら言う。

私はドキドキして先生の言葉にも感動していた。

中田「おばけ屋敷にしようか。あそこなら言い訳できるし暗いから。」

私はうなずいた。

思い描いていた観覧車とは程遠いけど、こうやって先生と一緒に少しでもいられるだけでも幸せだ。

おばけ屋敷に行く道中もあまり生徒達はいなかった。

ジェットコースターなど激しいアトラクションに大勢いるのが見えた。

中田「やっぱりな。」

桜「何がやっぱりなんですか?」

中田「いや。だいたい最初テンション高いからジェットコースターとか激しいアトラクションに乗るやつが多いんだ。毎年遠足に来てたらわかるんだよ。」


そうか。いろんな遠足場所に行ってたらわかるもんなんだ。

でも私みたいに先生と回りたいって思う子も今までにはいたはず....。

中田「何落ち込んでるんだ?......野上がはじめてだよ。」

え?なにがはじめてなんだろう?

中田「野上が考えてる事なんて、すぐわかる。」

私は嬉しくて、恥ずかしくて顔が熱くなった。

桜「先生?でも.....。」

中田「これ以上は言うな。俺にも立場と我慢が必要だから。」


いまいち先生の言っている事がわからなかった。

とりあえず私は先生のはじめてなんだっ!

そう喜んでいた。
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