不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「今回は許してやってよ?わりぃね。流星も悪気があったわけじゃないからさ」
「……分かった」
智也が頷くのを見届けると、ケント君は流星の胸をポンッと押して、『もうやめろ』と目で合図を送った。
流星はそれが不満だったのか、ケント君に言い返す。
「何でお前が謝るんだよ」
「いいから黙ってろって。中学の時みたいに、変な問題起こすなよ」
中学の時……?変な問題……?
「……お前に言われなくても分かってる」
流星は語気を弱めて言うと、智也の方に視線を受けてこう言った。
「花音は俺の女だ。それだけは覚えとけ」
流星の周りから漂う黒いオーラ。
緊迫して静まり返った食堂に、流星の低い声が響いた。