不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
大声で叫ぼうとしても、言葉が喉の奥に張り付いて出てこない。
「嫌でも花音が俺を見れるようにしてやるよ」
智也のその声と同時に、唇に訪れた温かい感触。
それが智也の唇だって気付いた時、目頭が熱くなった。
「どうして……こんなこと……するの?」
智也が唇を離したと同時にそう問いかける。
すると、智也はハッとした表情を浮かべてあたしから手を離した。
「……――俺のことも男としてみてくれよ」
さっきまでとは打って変わって、弱々しい声でそう言うと、智也は頭をクシャクシャといじった。