不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「あっ……!!」
目の前に立っているのはさっきまで教壇の上にいた数学の先生。
その手には、香水の入った紙袋が握られていて。
そ、それはダメ!!
絶対にダメ!!!
「か、返してください!」
慌てて手を伸ばすと、先生はヒョイっと手を上に持ち上げた。
「さっきからまともに授業聞いてないだろう。教科書ぐらい開け」
「……はい。すみません……」
先生の言うとおり、机の上には開いていない教科書とノート。