不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
番外編 流星side
嵐のような転校生
【流星side】
「流星……どうしたの?怖い顔して」
「別に」
「……なんか機嫌悪いみたいだね?あたしと同じクラスになったのが、そんなに嫌だった?」
花音は俺の顔を覗き込みながら、不安そうに首を傾げる。
「そんなわけないだろ」
呆れ気味にそう言うと、花音はシュンっとした表情を浮かべてうつむいた。
俺と花音は高3になった。
「同じ教室で授業受けられるなんて、幸せすぎだよぉ!!」
高校生活最後の年にようやく同じクラスになれたと、ハシャいでいた花音。
口には出さないけれど、俺も同じ気持ちだった。
退屈な授業も、花音がいれば少しは楽しいものになるかもしれない。
そんな風に思っていた矢先、新しい担任が唐突にこう言い放った。
「みんなに新しい仲間を紹介する。ほら、入れ」
担任にうながされて教室に入ってきた人物。
「神崎。簡単に自己紹介してくれ」
俺は教壇の上に立つ男に気付いて、思わず目を見開いた。