不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
どうしてアイツがこんなところにいるんだ……?
緩いパーマをあてた茶色い髪。
耳に輝く金色のピアス。
決して小さくない奥二重の鋭い瞳。
その瞳は、クラスの女を見定めているかのように左右に動く。
「……神崎?そろそろ自己紹介を……――」
いつまで経っても自己紹介をしようとしないヒロヤに困惑する担任。
その時、教壇の上に立っていたヒロヤと目があった。
その途端、ヒロヤの表情がパアッと明るくなる。
「……――つーか、流星じゃん!!すっげぇ久しぶり!!」
机の上で頬杖をつく俺にツカツカと歩み寄ると、ヒロヤは愛嬌のある笑みを浮かべる。
「お、おい!!神崎!!自己紹介を……――」
「流星と会うの1年ぶりだよな~。元気してたか?」
「あぁ。お前も元気らしいな」
「おう!同じクラスなんて、俺らってとことん縁があるな」
信じられないくらいマイペースなところは、1年経った今も健在のようだ。
「……じ、自己紹介は後にして、とりあえず出席を取ることにしよう」
ヒロヤに完璧に無視された担任は、苦笑いを浮かべながら出席簿を開いた。