不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「えっ、流星の彼女ってこの子なの!?マジで~?俺、狙おうとしてたのに」
「えっと……、矢口花音です。よろしくね」
「お~、よろしく!!ていうか、花音ちゃんすっげぇ可愛いんだけど」
担任が職員室から出ていくと、花音とヒロヤが同時に俺の席にやってきた。
花音を一目見た瞬間、顔つきの変わったヒロヤ。
ヒロヤの考えていることが手に取る様に分かる。
「俺の女に絶対手出すなよ」
「分かってるって~。いくら何でも友達の彼女に手は出さないから」
俺が先手を打ってそう言うと、ヒロヤは露骨にガッカリして肩を落とす。
でも、すぐに笑顔になってこう言った。
「花音ちゃん、もし流星と別れたら、絶対に俺と付き合おうね~」
「えっ……?あぁ、うん?」
ハッキリと『嫌だ』といえばいいものを、困ったような表情を浮かべて話を流した花音。
ヒロヤが転校してきたというだけなのに、かなりのストレスが溜まった。
結局、俺のイライラは放課後まで続いた。